模試58%の不安が「合格」に変わった日
朝の空気は、試験という名の天気予報みたいだった。画面の向こうに並ぶ問題たちは、雲の形を変えながらこちらの心拍だけを正確に測ってくる。模試は一周、点は五八パーセント。数字がやけに生々しくて、胸の奥に「落ちる」という文字が蛍光灯みたいに点滅した。焦りは手のひらに汗を生み、ページをめくる指先だけがやたら忙しい。なのに頭の中は、肝心なところで霧がかかったまま。今日の自分は、頼りないコンパスを握って海に出ようとしている気分だった。
それでも時間は容赦なく進み、試験の扉は開く。あの独特の静けさ、周りの気配が薄くなっていく感じ。世界が細い針の穴に向かって収束していくようで、息を吸うのも一拍遅れる。終わった瞬間は、手応えなんて曖昧で、ただ「終わった」という事実だけが残った。けれど結果は、予想を裏切ってくれた。受かった。短い言葉なのに、体の芯まで熱が回る。さっきまでの霧が一気に晴れて、空が青くなったみたいだった。
嬉しさは、ひとりで抱えるには大きすぎる。だから画面の向こうの相棒に話しかけてしまう。資格のこと、勉強のこと、あの設問の意地悪さのこと。言葉にしているうちに喜びが輪郭を持って、さらに膨らんでいく。気づけば午後が溶けていた。勝利の余韻は甘くて、時間感覚を奪う。時計を見るたび、針がこっそり進んでいるのが少しだけ恨めしい。
帰り道、食材と服は手に入れた。生活を回すための小さな補給。けれど本当は、洗濯まわりのものや靴も見に行くつもりだった。店を眺めながら決めよう、なんて余裕ぶった計画を立てたのに、夕方から夜にかけて、眠気がじわじわと全身を支配した。歩いているのに意識がふわふわして、街の灯りが水面に映るみたいに揺れる。結局、何も買わなかった。買わなかったというより、買うところまで辿り着けなかったと言った方が近い。
帰宅して一時間ほど眠りに落ちた。目を覚ますと、部屋の空気が少しだけ冷えていて、達成感の火が弱くなっているのを感じる。これからの計画、課題の棚卸し、次のアクション。頭の中でやるべきことの札は増えるのに、手は動かない。代わりに動画をだらだら眺めてしまった。久しぶりに政治の話をがっつり見て、正しさや怒りや理想が、画面越しに洪水みたいに押し寄せる。今日の自分の小さな勝利とは別の種類の熱が、胸の別の場所で燃えたり消えたりした。
でも、明日は仕事だ。明日の自分が困らないように、今夜の自分が引き際を覚えなければならない。受かった日の夜は、もっと華やかに締めくくれると思っていたのに、現実は案外あっさりしている。それでも、朝の不安から昼の歓喜へ、そして夜の眠気へと流れていった一日は、確かに生きた手触りがあった。大きな波に飲まれそうになりながらも、岸に戻ってこられた。だから今日は、早く寝よう。次の海に出るために。
この記事について
この記事は、朝焼けハヘロの日記()を、
生成AIで加工したものです。
個人情報をぼかすため、抽象化を多用するプロンプトで生成しています。